『100円のコーラを1000円で売る方法』は、おもしろいストーリーを読みながらマーケティングが学べる良書。

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2019年は「マーケティングを学ぶ」をひとつのテーマにしています。

具体的にはマーケティングの本を10冊読むことを目標にしています。第1冊目として『100円のコーラを1000円で売る方法』を読みました。

表紙に「マーケティングがわかる10の物語」と書かれている通り、ストーリー形式でマーケティングの理論が学べる本になっています。このストーリーが読み物としておもしろいのでどんどん読んでしまいました。

ストーリーの概要

ざっくりとした概要ですけど、会計ソフトウェア専業の会社が舞台。10年間セールスを経験し、商品企画部に異動してきた宮前久美が主人公です。宮前はセールス時に多少手荒い手法で大口案件を取ってきたやり手。

そんな宮前が異動してきた商品企画部には40代前半の与田誠がいます。与田は中途入社で商品企画を中心としたマーケティング畑の経験が豊富。商品企画部の企画は全て与田のOKがないとGOしない仕組みになっており、部からの絶大な信頼を持つキーパーソン。物語は宮前が考えてくる企画に対して、与田のダメ出し、時には問いを与える、といったやり取りを中心に進んでいきます。

この過程を経て一つの企画がまとまり実現されていくのですが、ストーリー形式でマーケティング理論が自然と学べるおもしろい本です。

目次はこちら。章立てがRoundになっているのがおもしろいです。まさに戦いです。

Round1 アメリカの鉄道会社はなぜ衰退したのか?-事業の定義

Round2 「お客さんの言いなりの商品」は売れない?ー顧客絶対主義の落とし穴

Round3 顧客の要望に100%応えても0点ー顧客満足のメカニズム

Round4 値引きの作法ーマーケットチャレンジャーとマーケットリーダーの戦略

Round5 キシリトールガムがヒットした理由ーバリュープロポジションとブルーオーシャン戦略

Round6 スキンケア商品を売り込まないエステサロンー競争優位に立つためのポジショニング

Round7 商品を自社で売る必要はないーチャネル戦略とWin-Winの実現

Round8 100円のコーラを1000円で売る方法ー値引きの怖さとバリューセリング

Round9 なぜ省エネルックは失敗してクールビズは成功したのかーコミュニケーションの戦略的一貫性

Round10 新商品は必ず売れない?ーイノベーター理論とキャズム理論

10ラウンドを経て、宮前の企画は実現されます。宮前 vs 戸田のマーケティング視点での戦いからマーケティング理論の大事なエッセンスがすっと入ってきます。

あくまでエッセンスなので詳しくはそれぞれの専門書を読む必要がありますが、各章ごとに触れているマーケティング理論でおすすめの参考図書も紹介されているので入門書に最適です。

特に印象に残ったところーバリューセリング

学びになったポイントはいくつもあるのですが、特に印象に残っているのはRound8の100円のコーラを1000円で売る方法です。どうやるの?の部分は本書を読む動機づくりのひとつでもあると思うので詳しくは書きませんが、ここがとても勉強になりました。

仕事でもこの点は考えることが多いため、とても腑に落ちました。キーポイントは「体験」です。詳しくは本書を読んでみてください。

「モノづくりではなく、コトづくり」ということが話題にもなっていますが、コトづくりは企業にとってなぜ重要なのかがしっくりきました。商品単体で勝負するプロダクトセリングではなく、商品を通して顧客に体験を売るバリューセリングに切り替えることで、企業は高収益の体質を得ることができるのでは?と考えるようになりました。

体験という付加価値をつけることで、より多くの対価をいただくという考え方です。

このバリューセリングの部分はもう少し踏み込んで学んでみたいと思いました。

この章では2冊の書籍が参考図書として紹介されているので読んでみようと思います。

値引きの怖さ(理論):『バリュープロポジション戦略50の方法』永井孝尚著、オルタナティブ出版、2011年

エブリデー・ロー・プライス(理論):『ロープライス エブリデイ』サム・ウォルトン、ジョン・ヒューイ著、同文書院インターナショナル、1992年

まとめ

本書を通して本当の意味での顧客中心主義とは何かについて考えさせられました。顧客の要望をそのまま実現するのではない。顧客が気づいていない本当の欲求に対して訴求する。

「言うは易く行うは難し」の典型ですが、高い付加価値を提供することでより多くの対価をいただく。商品の原価は一定のまま、サービス(付加価値)の満足度を高めることで、より高い対価を得る。これは企業の収益体質を改善させることにつながります。

高収益であることはより高いサービス、商品づくりの原資を稼ぐ上で、重要だと常々考えています。おもしろいストーリーを読みながらいろいろなことを考えさせてくれるとてもいい本だと思いました。

社会人こそ積極的に学ぶ必要があると思います。最近はサボっていたので、今年はマーケティング理論の裏付けを得て、仕事を通じて考えていきたいと思います。

それでは。

今回紹介した本

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