日本の全住宅流通量に占める既存住宅の流通シェアは2013年時点で約14.7%、その後も流通シェアは拡大してきています。政府としても既存住宅の流通シェアをさらに引き上げようと環境整備を推進しており、中古住宅の購入は増えてくると予想されています。
これまでの戸建て住宅はスクラップアンドビルド方式で、新築戸建てがメインの市場でした。これからは 「いいものを作って、きちんと手入れして、長く使う」社会に移行 することが大事であると言われています。そのために長期優良認定住宅制度やホームインスペクション制度など、新しい制度が出てきています。さらにはある基準を満たした場合、中古住宅リフォーム費用の一部を補助してもらえる制度もあります。
わが家も中古住宅(既存住宅)を購入し、大規模リフォームをしています。中古住宅をリフォーム(リノベーション)するのは新築にはない面白さがあります。もちろん、新築には新築の良さがあります。
わが家のようにこれから中古住宅+リフォームを考えている方に、お伝えしたいことがあります。
それは住宅ローンには思わぬ落とし穴があるということ。今回はわが家の実体験による失敗談を紹介します。
住宅ローンで中古住宅購入費用+リフォーム費用が借りられる
銀行によって考え方が異なりますが、中古住宅購入費用+リフォーム費用の総額を住宅ローンとして借りることができるところが増えてきています。
もともとは住宅購入費用は住宅ローン、リフォーム費用はリフォームローンという場合が多かったです。リフォームローンは住宅ローンよりも金利が高いため、返済負担が大きいローンです。最近は中古住宅流通が増えてきており、銀行としても住宅ローンとして中古住宅購入費用とリフォーム費用を貸してくれるようになっています。
わが家の場合は4行に住宅ローンの相談に行きましたが、 4行ともリフォーム費用込みで住宅ローンを借りることができる という回答でした。
住宅ローンの審査にはリフォーム費用の見積もりが必要
中古住宅購入費用とリフォーム費用を住宅ローンとして借りる場合は、ローンの仮審査時にはリフォーム費用の見積もりが必要です。中古住宅購入の準備を進めると同時にリフォーム費用の見積もりを取っていく必要があります。
ただし仮審査時の見積もりは本審査までに変更可です。仮審査の借入額よりも本審査の時が多くなるのはまずいですが、仮審査の額よりも本審査の額が少ないのは問題がないので、リフォーム費用が増える可能性があるのであれば仮審査では多めの額を申告して審査を受けたほうがいいと思います。
最終的に本審査の時に正式な見積もりと工事請負契約書が必要になりますので、その時までにリフォーム案は固める必要があります。
住宅ローンをどこにするかを考えると同時に、リフォームの詳細も検討して見積もりを組んでもらう必要があるのでなかなか大変です。
住宅ローンの返済は住宅購入時点から開始される
わが家にとってここが思わぬ落とし穴だったのですが、住宅ローンの決済は中古住宅購入時点、リフォーム費用の一部前払い、リフォーム工事完了時のリフォーム費用残額支払い時点の3回あります。
住宅ローンの返済はリフォームが完成してからが理想ですが、わが家が借りた信用金庫の場合は中古住宅購入の決済が完了した月から住宅ローンの返済が始まりました。
その時点ではこれからリフォーム工事が開始されるため、購入した住宅に住むことはできず、 現在住んでいる家賃と住宅ローンの支払いが2重払状態 になりました。
しかもリフォーム工事は2~3ヶ月ほど掛かる大規模工事であるため、その間は確実に2重払いになりました。
さらに決済を月の上旬に設定してしまっていたため、その月から住宅ローンの返済が開始されてしまい、より2重払い期間が長くなってしまいました。
こんなことなら決済のタイミングも最も考えて決めればよかったと思いましたが、後の祭りでした。
まとめ
住宅ローンを検討する際に、返済開始時期はよく相談しておいた方がいいと思います。わが家も実は返済開始時期については相談していましたが、3月をはさんだため担当者の異動があり、リフォーム見積の最終化に気をとられている間に返済時期の相談を忘れてしまっていました。
いざ本審査が終わり、決済というタイミングになったときに返済がすぐに開始され、家賃と住宅ローンの2重払い状態となることが発覚しました。
あとで気づいてもどうしようもないもので、最初からしっかりと返済時期については相談の上、住宅ローンの銀行選びをすればよかったと思いました。
新築購入にはない落とし穴なので、身近に例がない場合も多いかと思いますが、この点はしっかりと確認して住宅ローンを借りてもらえればと思います。
わが家の失敗談が参考になれば幸いです。
それでは。