日本学生支援機構の奨学金は大学生の二人に一人が利用しています。大学生の半数が奨学金を利用しているからと言って気軽に「僕も私も、奨学金を借りて進学しよう」とは決して思わないでください。
私自身、奨学金を大学の学部時代に480万円(月10万円※2種)、大学院時代に192万円(月8万円※1種)を借りて総額約700万円もの借金を背負って社会人になりました(恐ろしい)。
幸い東証一部上場企業に就職できたので、返済に困ることは今までありませんが、700万円もの借金を背負っていることには変わりなく、負担は感じています。月々3万5000円ほど返済をしていますが、この返済がなければもっと貯金できるのにと思うことはよくあります。
後悔としては大学時代にもっと借金であることを意識して利用すればよかったと思っています。
第2種奨学金は利息もとられる立派な借金
奨学金には第1種奨学金と第2種奨学金の2種類があります。第1種奨学金は無利息なので、借りた分だけ返すというものです。無利子でお金を借りるということは近しい人からなど以外ではありえないので、奨学金という制度の学生を支援したいという意思を感じます。ただしこちらは借りられる人が限られています(国立大学進学ならOKだと思う)。
一方で第2種奨学金は利息が付く立派な借金です。日本学生支援機構のHPをみると3%を上限とする利息付と書かれています。
年(365日あたり)3%を上限とする利息付です。なお、在学中は無利息です。
住宅ローン金利が1%を下回る世の中ですが、3%を上限とする利息付でお金を借りるということがどういうことかをよく考えてほしいと思います。
私の場合ですが1%前半くらいの利息がとられています。住宅ローンも借りていますが、住宅ローンの方が断然利息が安いです。
正直第2種奨学金は誰でも借りられるタイプの奨学金で、その分利息も高い。奨学金を借りてどうしても進学したいという場合は第1種奨学金を目指してほしいと思います。
やはり利息があり・なしでは返済時の負担も違ってきますよ。
第2種奨学金しか借りられない場合は、必要最低限を借りよう
もしタイムマシンがあったら、高校生の時の自分に声を大にしていいたい。
月10万円も必要か?
貧乏だから奨学金を借りなきゃいけないのは仕方がない。でもある程度アルバイトでまかなう前提で借りたらどうだ?
当時の私は実家からの仕送りもなく、家賃+生活費を借りて勉強に励もうと月10万円を第2種奨学金として借りました。
つまりは大学4年間で480万円と500万円近い借金を背負って社会人になるのです。これは相当キツイ。
でももし月5万円だったら大学4年間で半分の240万円です。毎月5万円を奨学金として借りることができれば、貧乏学生用の学生寮であれば家賃は月1万~3万円で済むので家賃+生活費にはなります。プラスで食費とおこづかいはアルバイトで賄えばいいのです。
せっかく大学進学したのにアルバイトは?と思うかもしれません。でも月数万円のアルバイトであれば学業に支障は出ませんし、奨学金という借金は将来のツケとしてついて回るものなので、少しでも借入額を少なくするためには仕方ない。
是非検討してほしい。自分が学生時代に戻れるのなら絶対にそうします。

奨学金が在学中に不要になれば、途中から借りないという選択肢もあり
文系の場合、大学1年~2年は忙しくても3年~4年は学生生活にも慣れ、アルバイトの余裕が出てくるものです。
アルバイト代が入ることによって、奨学金借入額に余裕が出てくるのであれば、途中からは借りないという選択肢もありかと思います。文系であれば大学4年間に必要な単位は3年生までに取得することができます。
であれば最後の1年間だけ借りないということをすれば、その分借金は減るのでいい選択肢になるかもしれません。最近では就職活動が後ろ倒しになってきているので、その期間は大変かもしれませんが。
まとめ
進学によって将来の可能性を広げることはとても大事で、奨学金はその助けになることは事実です。私も大学で大いに勉強したことにより人生の可能性が大きく広がりましたし、現在は満足する会社でエキサイティングな仕事ができています。
でも社会人となり数年間奨学金を返済しつつ、結婚もして、子供も生まれて、支えるものが増えて自分ひとりじゃなくなってきたときに、ふと学生時代の奨学金の返済額がもっと少なければ家計にも良かったのになと思うのです。
私は「奨学金は大学時代の自分への社会人になってからの仕送り」と考えています。今の自分があるのは奨学金を借りておもいっきり勉強することができたから。それは事実ですが、借りる額をもう少し考えればよかったなと。
大学4年生の時は奨学金+アルバイトで大学院への進学費用を準備したりしていたので、今から考えてもその時は余裕がなかったのですが2年、3年の時はもう少しなんとかできたのでは?と思います。
これから借りるあなたは後悔のないようにしっかりと考えて、在学中も適宜見直しましょう。そしておもいっきり勉強してほしいと思います。
それでは。